テレビのコマーシャルなんかでよく耳にする歯周ポケットという言葉。なんとなくは分かるけど、歯の健康とそんなに深い関係があるの? なんて、そんな疑問を抱いている方もいるかもしれません。
実際に、「歯周ポケット」を気にしながら歯を磨いている人は少ないのではないでしょうか。歯と歯茎の間に溜まった汚れは、放っておくと、口臭や歯周病の原因にもなるのです。
歯周ポケットってそもそも何?
歯と歯肉の間には歯肉溝という溝があります。健康な歯肉の場合、歯と歯肉はぴったりとくっつき、隙間はほとんどありません。しかし、歯肉炎などによって歯茎が腫れてしまうと、歯肉が歯から離れ、そこにぽっかりと溝ができてしまいます。これが歯周ポケットです。
歯周ポケットができると、歯肉溝へ侵入する細菌を防ぐことができなくなり、歯周病の悪化を引き起こします。深くなると、細菌から逃れるために歯槽骨と呼ばれる周りの骨が溶け、最悪抜歯しなくてはいけなくなることも……
また、歯周ポケットにはプラークが溜まりやすく、深くなるにつれて歯磨きだけによる除去が難しくなります。
プラークによって歯茎が慢性的に腫れると、より歯周病を酷くする原因にもなります。歯周病を進行させないためにも、早めのケアが必要です。
あなたの歯周ポケットは何ミリ?
歯周ポケットは、その深さによって自宅でのケアが可能だったり、プロのクリーニングが必要であったりします。まずは鏡を見て歯ぐきの状態を確認してみましょう。
自分ではなかなか正確に測れない歯周ポケット、歯科で1ミリごとにメモリのついた針のような特殊な物差しで計ってもらうのがオススメです。歯茎が腫れているようであればお近くの歯科医院へ。
1mm〜2mm
比較的健康な歯と言えます。丁寧な口内ケア続けましょう!
歯間にプラークや食べ残しを溜めないように、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスなども使用して歯磨きを行いましょう。正しいブラッシングは歯ぐきをマッサージし血行を良くするので歯肉が引き締まり細菌が歯周ポケット内に入り込むのを防ぐことができます。
3mm〜5mm
徐々に歯槽骨の吸収が始まっている可能性があります。3mm以上の深さの歯周ポケットになると、自宅での清掃が難しくなってきます。一度歯医者に行って、クリーニングをしてもらいましょう。
また、適切なブラッシング指導を受け、これ以上進行させないことが重要です。定期的な歯科検診をおすすめします。
6mm以上
歯周ポケットの深さが6mm以上になると、歯を支える骨が半分くらいまで溶けてしまっている、と言っても過言ではありません。症例によっては外科的な処置が必要になり、最悪抜歯の可能性もあるので、早急に歯科医に相談しましょう。
また、口臭や知覚過敏に悩んでいる人は、この歯周ポケットが原因かもしれません。
プラークコントロールが歯周ポケット予防のカギ!
プラーク(歯垢)は細菌の塊です。これを上手に取り除くことができないと、プラーク内の細菌が歯茎を炎症させ、歯周ポケットが生まれます。そして、そのポケットにさらに汚れがたまることによって、歯周病が悪化するのです。歯周病のほとんどは、プラークから始まります。
プラークコントロールとは、歯ブラシやデンタルフロスを使用し、汚れをなるべく口内に残さないようにすることです。プラークは毎日口内に現れるので、それを毎回きれいに取り除くことができなくては、歯周病を改善することはできません。
普段から丁寧な口内ケアを行い、初期の段階で歯周ポケットを食い止めることが重要です。
目指せ歯周ポケット0mm!
歯周ポケットの深さは歯の健康状態、歯周病の状態を知る一つの目安になります。健康をおびやかす大病へ進行する前に、まずはブラッシングを見直しましょう!電動式の音波ブラシなども届きにくいポケットや歯間のプラークを除去するものまで色々とあるようです
また、歯周ポケットが浅くても歯周病に感染している場合はあるので、歯茎から血が出る、知覚過敏などの気になる症状がある人は、早めに歯科を受診することをおすすめします。
歯周病の原因を絶って、いつまでも自分の歯で美味しく食事がしたいですね♪
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(編集・執筆:サムライト)