はじめに
なぜ知覚過敏になるの?
冷たいものや酸味の強いものを口に入れた際に、キーンと歯がしみる知覚過敏。今や約1800万人もの日本人がこの知覚過敏に悩んでいると言われています。
知覚過敏は歯のエナメル質が傷つき、象牙質が露出することで起こります。象牙質に直接刺激が伝わると、それが神経まで届いて歯がしみるというメカニズムです。
「間違った歯磨き」が知覚過敏の原因に!?
噛み合せの悪さ、歯ぎしりのクセ、歯周病など、知覚過敏の原因は様々。でも実は、最も大きな原因は間違った歯磨きにあると言われます。毎日いくら念入りに歯磨きをしていたとしても、その方法が間違っていれば、知覚過敏になる可能性大。実は、普段から歯を大事にしている人ほど、知覚過敏になりやすいという落とし穴があったのです。
では次に、実際にどんな歯磨きがNGなのかをご紹介しましょう。
よくやりがちな、間違った歯磨き方法
1.力を入れて磨く
「歯はゴシゴシ磨く方が気持ちいい」という人もいるでしょうが、力任せに磨くとエナメル質を傷つけてしまいます。歯ブラシは軽く当てる程度にし、小刻みに磨くことが重要です。
気をつけていても「どうしても力を入れて磨いてしまう」という人は、柔らかめの歯ブラシに替えてしまった方がいいかもしれません。
2.歯磨き粉を大量につける
市販の歯磨き粉は、歯の表面をキレイに磨く研磨剤が配合されたものがほとんどです。そのため、大量につけて歯を磨くとエナメル質を傷つける要因になります。「歯磨き粉は多い方がキレイになる」というのは実は嘘で、歯磨き粉は少しだけつけるのがベストなのです。
3.食後すぐの歯磨き
最近になって、食後すぐの歯磨きはよくないことが分かってきました。食べ物が持つ酸や糖分は歯のエナメル質を一時的に弱めるため、食事の後にすぐ歯を磨くと、歯の再石灰化の前にエナメル質を洗い取ってしまうのです。それを防ぐには、少なくとも食後30分は歯磨きを控える必要があると言います。
ちなみに、歯にとって一番いい習慣は、食べる前に歯を磨くことだという歯科医も。食後はノンアルコールの洗口液で口をゆすぐだけで大丈夫なのだそうです。
もし知覚過敏になったら?
自分でできること
もし知覚過敏になってしまったら、早めに歯科医に相談するべきですが、忙しくてなかなか行けない人もいるでしょう。そんな時に自分でできるケアとしては、まず柔らかめの歯ブラシでやさしく歯磨きをすることです。小刻みに磨いて、露出した歯根の表面についたプラークを丁寧に落とすよう心がけてください。また、傷ついた歯に刺激を与えずカバーしてくれる知覚過敏用の歯磨き粉に変えるのも1つの手です。
知覚過敏の症状が軽い場合、これらの対策で症状が解消するケースも多くあります。しかし、「傷みが消えた=治った」とは限りません。気づかないうちに症状がどんどん悪化している可能性もあるので、注意が必要です。
歯科医院で行うこと
歯科医院での一般的な知覚過敏の治療は、薬の散布です。エナメル質が傷つき、象牙質が露出した歯に薬を散布することで、外部からの刺激を防ぎます。それでも効果が得られない場合、レジン(樹脂)・歯科用セメントなどのコーティング材を使用することもあります。
それでも治らなければ…
上記の治療を施しても症状が改善されないと、最悪の場合、歯の神経を抜くことになります。神経を取れば当然、もう痛んだりしみたりする心配はありません。
しかし同時に、歯には栄養が行き渡らなくなるため、歯がもろくなる、虫歯の進行が早くなるなどのデメリットも生じてきます。神経を抜くのは本当に最後の手段。そこまで悪化しないように、早めに歯科医に相談しましょう。
おわりに
日本人の3人に1人は知覚過敏に悩んだ経験があると言われるほど、知覚過敏は私たちにとって身近なトラブルの1つです。「私は歯を大事にしているから大丈夫!」と思っている人も、他人事ではないかもしれません。
間違った方法で歯磨きをしていると気付いたら、今日からすぐにそれを止めましょう。それでももし知覚過敏になってしまったら、その時は自分だけで何とかしようとせず、すみやかに歯科医を受診してくださいね。
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(編集・執筆:サムライト)