塩、紅茶、ココナッツオイル… 本当に効果的な「うがい」の方法はどれ?

塩、紅茶、ココナッツオイル… 本当に効果的な「うがい」の方法はどれ?


昔から、風邪の予防には「手洗いうがい」が大切だと言われてきました。実際、うがいの効果は医学的にも証明されています。また、うがいは発熱予防や口臭予防などにも効果があることが分かっています。

ただ、世間では「普通の水よりも◯◯でうがいをするとよい」といった様々な意見がありますよね。一体、何でうがいをするのが一番効果的なのでしょうか?今回は、編集部が4種類のうがいについて調べ、歯科医師の安部先生に専門家の見解を伺いました。

1.「塩」でうがいをする

塩
を「単なる調味料」と侮るなかれ。実は、塩には殺菌作用があります。つまり、塩水でうがいをすると、ウイルスや細菌を殺菌して洗い流すことができるのです。しかも、塩にはのどの炎症や痛みを和らげる効果もあると言います。塩水のうがいは風邪の予防だけでなく、風邪を引いてしまった後にも良さそうですね。

ちなみに、このうがい液のつくり方は、コップ1杯の水に塩を小さじ1程度入れて溶かすだけ。家庭にある普通の塩でOKなので、簡単なうえに安上がりなのが嬉しいポイントです!

2.「緑茶」でうがいをする

緑茶(Photo by Kanko*

緑茶に含まれる代表的な成分と言えば、カテキン。これにも殺菌作用があるというのは有名な話ですよね。また、同じく緑茶の成分であるテアニンには、免疫力を高める効果があることが知られています。最近では、インフルエンザ予防にも効果的であるとして、緑茶が注目されるようになってきました。あるアメリカの実験では、1日1~2杯の緑茶を飲むと38%、3~5杯飲むと46%もインフルエンザの発症率が減少したそうです。

さらに、浜松医科大学が実施した実験では、緑茶でうがいを続けた子どもの約7割が、風邪にかかりにくいという結果が出たとのこと。緑茶うがいも、かなりの効果を期待できそうですね!ちなみに、緑茶は熱くても冷たくてもカテキンの作用は変わらないそう。うがいに使うなら、ペットボトルの冷たい緑茶が便利でしょう。

3.「紅茶」でうがいをする

紅茶(Photo by Connie Ma

紅茶の赤い色素であるテアフラビンは、ポリフェノールの一種。血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を下げたりする効果があると言われ、健康に良いとされています。さらに、殺菌効果やインフルエンザ予防の効果もあるという優れもの!しかも、紅茶も緑茶と同じくカテキンが含まれています。そのため、緑茶以上にうがいの効果が高いという説もあるそうです。

市販の紅茶は糖分が入っているものが多いので、紅茶のうがい液は自分でつくりましょう。まず用意するのは、2Lペットボトルの水と、紅茶のティーバッグ2袋。次に水を400㏄だけ取り出して沸騰させ、ティーバッグ2袋で濃いめの紅茶をいれます。それを再びペットボトルに戻して紅茶濃度を薄め、しばらく置いて冷ませば、うがい液の完成です。

4.「ココナッツオイル」でうがいをする

ココナッツオイル
オイルプリングという言葉を聞いたことはありますか?自然療法で知られるアーユルヴェータの健康法で、オイルを使ってうがいをする美容法のことです。口内にいる無数の細菌をオイルで絡め取り、外に吐き出すことでデトックス効果があると言われています。特に最近、大注目を浴びているのがココナッツオイル。ミランダ・カーをはじめ、多くの海外セレブが実践していることもあり、今や日本でもブームが起こっています。

やり方は、意外と簡単です。朝起きてすぐに、エキストラヴァージン・ココナッツオイルを口に含んで20分間クチュクチュし、終わったら飲み込まずに口をゆすぐだけ。最初は耐え切れずにすぐ吐き出してしまう人が多いようですが、慣れれば平気になるそうです。これだけで、口臭・歯周病・虫歯・歯肉炎の予防や、口腔内のデトックスができると言われています。また、口周りの筋肉を使うことで、顔のしわ・たるみの改善などの美容効果も期待できます。

歯科医師に聞く!この中で一番効果の高いうがいは・・・?

ホワイトエッセンスの歯科医師・安部美紀先生に、効果的なうがいの方法について伺いました。
ホワイトエッセンスの歯科医師・安部美紀先生
安部:うがいには、2種類あります。1つは、クチュクチュ・ブクブクする、口のうがい。これは洗口と呼ばれ、虫歯や歯周病の予防になると考えられています。もう1つは、ガラガラする喉のうがい。これを含嗽(がんそう)と言います。こちらは、上気道の炎症の緩和などが目的です。両者は効果と目的が違いますので、今回は「洗口」に注目して考えたいと思います。

▼塩

安部:かなり高濃度の食塩水ならば、浸透圧の関係で細菌を脱水させることにより、たしかに菌の増殖などを防ぐことはできます。しかし、コップ1杯に小さじ1程度の塩では無意味です。塩分濃度が高い水でうがいをするのは味覚もからく感じてしまうでしょうし、おすすめはしません。歯周病関係の薬剤によく食塩が入っているのは、殺菌作用を期待しているのではなく、歯茎の引き締めに少し役立つ程度であり、対症療法の1つと思っていいでしょう。

▼緑茶・紅茶

安部:緑茶に含まれるカテキンやテアニンといった成分が、抗菌・殺菌作用を示すことは研究で明らかになっていますので、効果的だと思います。しかし、お茶なら何でもいいわけではありません。カテキンやテアニンの含有量は摘む時期や茶葉によって違いますし、淹れ方によっても変わってきます。特に、市販のペットボトルのお茶はカテキン含有量が低いものがほとんどです。また、ペットボトルを毎回開け閉めするとお茶が酸化してしまうことなどを考えると、効果が得られる条件はかなり限られそうです。ちなみに、紅茶にポリフェノール効果を期待するならば、うがいではなく飲んだ方が効果的かと思います。

▼ココナッツオイル

安部:正直、よく分かりません。ココナッツオイルに含まれるラウリン酸が抗菌作用を持っていると言われていますが、うがいに対するココナッツオイルの効果を実証するものがないので、私は現時点でうがいにおける効果はないと思います。

まとめ

なんと、先生には4つのうがいの方法すべてにダメ出しをされてしまいました…。では、どんなうがいが最も効果的なのでしょうか?

先生のオススメは、コンクールF。グルコン酸クロルヘキシジンという消毒薬が主成分で、粘膜に停滞する時間が長く、歯茎だけでなく舌の表面にも長時間停滞させて作用を発揮するそうです。また、ネオステリングリーンも洗口剤として有効とのこと。こちらの主成分は塩化ベンゼトニウムという抗菌作用をもつ消毒薬で、マキロンと同じ主成分でもあります。

しかし、口の中には、シンクのぬめりと同じような、バイオフィルムという細菌が作る目に見えない膜が張られています。この膜を取りきれない限り、いくら化学的に殺菌作用がある洗口剤で口をゆすいでも意味がありません。しっかり歯磨きをやっているつもりでも、バイオフィルムの形成を防ぐことは困難です。定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受け、口内をキレイにしましょう。そのうえで殺菌効果の高い洗口剤を使うのが、最も有効なうがいの方法と言えそうです。

 

ホワイトエッセンス 歯のクリーニング

(編集・執筆:サムライト


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ホワイトエッセンス 2015年10月9日